バラの咲く季節になると、庭や家の壁面いっぱいにあふれ咲くバラのある家を目にします。そんなバラが咲き誇るお庭に憧れを抱きながらも、「バラを育てるのは難しそう…。」と感じている方多いはずも。ここでは、バラを初めて育てるバラ初心者の方に向け、0から始めるバラの咲く庭作りのポイントをご紹介します。
バラの庭をつくる際にあるといいもの
フェンス
壁一面を彩るバラのある家。壁に直接ワイヤーなどを這わせる方法もありますが、家に釘などを打ちたくない場合は、窓枠を上手に使ったり、フェンスやトレリスを活用するのがおすすめです。
壁に立て掛けるように設置しましょう。家の壁だけでなく、生垣代わりにフェンスにバラを這わせるのも素敵です。
アーチ、パーゴラ
つるバラを這わせることのできるアーチやパーゴラは、バラを立体的に演出できます。小さなお庭でもバラを存分に楽しめるようになるので、ぜひ取り入れたいアイテムです。生育旺盛でフェンスに収まりきらないバラは、フェンスからアーチに誘引していくとよいでしょう。バラを初めて育てる初心者の方は、枝がしなやかでトゲが少ない誘引作業をしやすいバラがおすすめです。
バラ用のお手入れグローブ
モッコウバラ以外のバラにはするどいとげがあるので、お手入れにはトゲ対策のためのバラ用グローブが必須です。バラ用グローブは一般的なガーデングローブとは異なり、バラのトゲが布地を突き抜けないように革張りになっています。使い始めは少しゴワゴワしますが使っているうちに手に馴染んできます。選ぶ際は作業しやすいように手にぴったり合うサイズを選びましょう。
バラの庭のレイアウト
レイアウト作りのポイント
資材を取り入れて計画しましょう
バラの庭を上手にレイアウトするポイントは、骨格となるベース作りが大切です。地植えをするとその後の植え替えは大変なので、レンガの通路やアーチ、トレリス、ベンチなどお好みの資材を取り入れて、お庭のレイアウト計画を練ります。
最初に平面図でどこに何をレイアウトするかおおまかに決めた後、立体的にイメージをして、バラが咲く時期に最高の瞬間を迎えるように、フォーカルポイントになる位置にバラを持ってくるように計画をしましょう。
曲線を活かしましょう
バラは柔軟でしなやかにその形を変えます。そのため、スタイリッシュで直線的なレイアウトよりも、曲線を活用して奥行きを感じるレイアウトの方がバラがより魅力的に引き立つかもしれません。
バラのトゲを配慮しましょう
トゲの少ないモッコウバラ以外は、枝や茎にトゲがあります。通路に植える場合は、人にあたらないか事前に確認をしましょう。毎日人が通るようなアーチに絡める場合には、トゲでお客様や家族が怪我をすることのないように、空間に余裕をもって計画をしましょう。
お手入れを考えましょう
また、花がら摘みなどのお手入れがしやすいように、通路でない場合は足元にストーンなどの資材を敷いておくとよいでしょう。
冬にレイアウトを作りましょう
そして、バラが葉を落とす冬の間にしっかりとそのベースを作りましょう。
バラを植える場所
いざバラを植えるとなると植え場所に悩んでしまうかもしれませんが、バラは丈夫な植物なので、極端に日当たりの悪い場所以外であればたいていの場所で育てられます。壁面や窓の周り、アーチ、フェンスなどを飾るのは、つる性のバラ。エントランスや人が通る場所の近くにはトゲが少ない品種やモッコウバラ、香りのよいバラなどがおすすめです。
株元に日があまり当たらなくても、つるバラだったら上の方に伸びるので、そこで日の光を浴びることもできます。その場所で育つかどうか心配な場合は、まずは大きめの鉢植えで育ててみてもよいでしょう。
ブッシュタイプのバラは、花壇の中やフォーカルポイントのような場所、エントランスなどにもおすすめで、ベランダで鉢植えにしても楽しめます。
他の植物との組合せポイント
バラの開花期を一層盛り上げるためにも、冬も庭が寂しくならないようにするためにも、常緑樹やペレニアル(多年草・宿根草)、花壇、鉢植え、芝生など他の植物の中にバラをレイアウトするのがポイントです。
バラの咲く季節に合わせて同じ時期に開花する花を合わせる場合は、バラの花の色と組み合わせる花の色に統一感を持たせるとセンス良くまとまります。パレットに絵を描くように組み合わせてみましょう。バラの周辺にある程度ボリュームのあるペレニアル(多年草・宿根草)などを合わせるとボリュームが出て素敵です。足元にはふんわりと広がる草花を植えてみましょう。
バラが咲き終わった後に庭を彩ってくれる花を植える場合は、バラの花色と合わせることを考えずに自由に選んでみましょう。特に一季咲きのバラの場合は花の咲く時期が限られるため、それ以外の季節は好きな花を選んで庭づくりを楽しんでください。
ガーデニング初心者におすすめのバラ
病害虫に強いバラ
バラは病気や害虫の被害を受けやすく、適切な時期に殺虫剤や殺菌剤を使用しないと黒星病や虫害などで葉が全部落ちてしまうこともあります。そのため、バラを育てるのは手間がかかると思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、初めてバラを育てるバラ初心者の方におすすめなのが、病害虫に強いバラです。最近は品種改良により、病害虫に強く誰でも育てやすいバラの品種がたくさん出ています。はじめてバラを育てるのであれば、まずは病害虫に強いと記載されているバラを選びましょう。
四季咲き性のバラ
美しいバラの花も、一年に一度咲くだけだとちょっともったいない気がしますよね。そんなバラを一年に何回も楽しめるのが、四季咲き性のバラです。春に咲いて、その後も少しずつ夏まで咲き、再び秋に花をつけるので楽しみが何倍にも膨らみます。ただし、開花期が長くなると楽しみが増える分、花がら摘みなどのお手入れも増えるので、ご自身のお手入れがどの程度可能か一度考えてみてくださいね。
殿堂入りのバラ
フラワーカーペットローズ ピンクは、これまで育種されたバラの中で最も耐病性のあるバラの1つと評価され、2022年代19回世界バラ会議アデレート会議でバラの殿堂入りを果たしました。株一面にほぼ絶え間なく花が咲き、薬剤散布や剪定、花がら摘みなどの手間が最小限で済むため、バラの庭作りが初めての方にもおすすめです。
バラと植えるのにおすすめの草花
バラの咲く季節に一緒に咲くペレニアル(宿根草)を植えるとバラと草花がお互いを引き立て合い、庭作りがいっそう楽しくなります。バラとの饗宴を楽しめるペレニアルを植えて、ベテランガーデナーのような庭を作ってみましょう!
ネペタ キャッツパジャマ
分類:シソ科イヌハッカ属
学名:Nepeta hybrid
ふんわりコンパクトな株一面に爽やかなブルーの小花が咲き、ミントのような柔らかな香りを放つネペタ キャッツパジャマ。優しい色合いがローズガーデンと相性が良く、よくバラと組み合わせて植えられる人気の植物です。乾燥にも強く耐暑性にも優れているので、地植えであれば植えっぱなしで大丈夫。春~晩秋まで、庭を爽やかに彩ってくれます。
ジギタリス ベリーカナリー
分類:オオバコ科キツネノテブクロ属
学名:Digitalis hybrid
イングリッシュガーデンに欠かせないのが草丈の高いジギタリス。ジギタリス ベリーカナリーは、特に分枝性に優れ豪華な花がたくさん咲く品種で、バラとの相性も抜群です。耐暑性にも優れているので、日本の高温多湿な環境でも夏越し可能!花が上がってくると草丈が高くなるので、草丈の低い植物と背の高いバラをつなぐ役割も果たしてくれます。
スーパーアリッサム フロスティーナイト
分類:アブラナ科ニワナズナ属
学名:Lobularia hybrid
冬の間も途切れることなく白い小花を咲かせるスーパーアリッサム。スーパーアリッサム フロスティーナイトは、真夏や真冬など花が少ない時期も斑入りの葉が庭を明るく見せてくれます。植えっぱなしでもふんわり広がる花のカーペットに育ち、バラの足元を彩ります。
メカルドニア ゴールドダスト
分類:オオバコ科メカルドニア属
学名:Mecardonia hybrid
株一面に黄色い小花が咲くメカルドニア ゴールドダスト。梅雨や暑さ、病気にも強く、夏の庭を明るく彩ってくれます。生育旺盛なのでグランドカバーとしても役立ちます。
バラと植えるのにおすすめのシュラブ(低木)
バラと一緒に植えるのにおすすめなのは、バラの花が終わった後も花や葉が庭を彩ってくれるシュラブ。アナベルのように開花期が長く剪定の時期を選ばないアジサイや、カラーリーフを楽しめるシュラブなどがおすすめです。
アナベル(アメリカあじさい)
分類:アジサイ科アジサイ属
学名:Hydrangea arborescens
アメリカあじさいとも呼ばれるアナベル。よく知られるピンクのアナベル以外にも、白色やライム色の花をつけるものなどたくさんの品種があります。開花期が長く剪定の時期を選ばないので、ヴィンテージカラーの秋色アジサイになるまで楽しめるのが魅力。バラの花が終わった後も、晩秋まで庭を彩ってくれます。
ラグランジア
分類:アジサイ科アジサイ属
学名:Hydrangea hybrid
ラグランジアはバラの華やかさにも負けない華やかさを持つアジサイ。普通のアジサイは茎の先端に花が咲きますが、ラグランジアは側芽全てに花が咲く新しいタイプのアジサイです。ラグジュアリーな印象で、つるバラのアーチやパーゴラの足元を彩ったり、バラの庭のフォーカルポイントに使ったり。さまざまな楽しみ方ができます。
アベリア
分類:スイカズラ科アベリア属
学名:Abelia ×
一年を通じて美しいカラーリーフを楽しめるアベリアは、常緑性のためバラが葉を落とす冬の間も庭を寂しくさせません。新緑から紅葉まで変化する葉色は見ごたえがあり、初夏にはかわいらしい花を咲かせます。
シモツケ
分類:バラ科シモツケ属
学名:Spiraea japonica
季節によって変化する葉色が魅力のシモツケ ダブルプレイは、バラの花がない時期にも庭を彩ってくれるシュラブ。晩春から初夏に咲くふわふわの花と葉色のコントラストが美しく、さらにローメンテナンスで栽培が簡単。日なたでも半日陰でも育てられるため、つるバラの足元や半日陰になる場所でも楽しめます。
まとめ
バラを初めて育てる方は、まずは鉢植えで育てるとその後も柔軟に動かすことができて安心です。鉢植えで育てて場所が固まった時点で、そこに地植えをしましょう。
また、バラを初めて育てるバラ初心者の方が楽しくバラの庭を楽しむためのポイントは、病害虫に強い品種を選ぶことにあります。バラと相性の良いローメンテナンスの植物を組み合わせて、バラのある空間を楽しんでくださいね。