大学では農学部に進学して、バラの研究をされていたそうですね。

親が動物好きで常にペットがいる家庭で育ったので、子どもの頃から漠然と動物に関わる仕事がしたいなあと考えていました。農学部に進学したのも畜産を学んでみたいという想いがあったからです。大学では植物・畜産・森林などいくつかの専攻を選べたのですが、畜産を専攻しつつほかの分野も経験していくなかで植物も気になりだし、あるきっかけから植物への興味がさらに大きくなっていきました。

植物への興味がふくらんだきっかけとは?

ひとり暮らしの時アパートでペットが飼えないので、100均の観葉植物を買ってみたんです。植物と暮らすようになって世話をしてみると、肥料をあげたり、土を変えたり、自分が工夫したことに対して植物がちゃんと応えてくれることが「あ、面白い」と感じて。さらに、畜産だと研究対象が牛・豚・鶏などに限られてしまいますが、植物だと花だけでもたくさんの種類があるし、根も葉も実もある。研究対象としてバリエーションが豊富で飽きないぞ、植物っていいかも、と。そこから観賞用の植物への関心がどんどん高まり、大学3年の時に園芸研究室に進みました。

園芸学研究室には大学院まで在籍して、主に病気に強いバラをつくる研究をしていました。
病気に感染したバラの経過を見て病理を解明するなど、植物を管理しながら経過観察していくような研究だったので、現在の花の生産管理の仕事にもつながる部分はありますね。

面接で感じた居心地の良さと
PWのブランド力に惹かれてハクサンに入社

ハクサンへ入社した経緯について教えてください。

大学で培った植物の管理や病理研究のスキルを活かしたく、就職活動では種苗会社をメインに、野菜を扱う食品系の企業なども受けました。

ハクサンに応募した理由は、まず花をメインに扱っている種苗会社であったこと。種苗会社とひと言で言っても、野菜の種苗を扱っている会社も多いのですが、自分がそれまで花の研究をしてきたので、やはり花に特化した種苗会社で働きたいという想いがありました。

もうひとつは、PWというしっかりとしたブランドを扱っていたことです。学生時代から園芸売り場でPWの花苗はよく目にしていて、勢いがあるブランドだと思っていました。でもその販売元がハクサンだというのは、実は採用選考の途中で知ったんです。「え!いつも店頭で見ていたPWの苗はハクサンが販売していたんだ!」と驚きましたし、ここで働きたいという気持ちがより膨らみました。

社員の声02-2

採用の過程で印象に残っていることはありますか?

とにかく面接ですね。面接してくださった方が皆さんが穏やかで、話していてとても居心地良く感じました。それまで他の企業でも面接を受ける機会はあったのですが、パッションあふれる感じでぐいぐい前のめりに質問されることが多く、もちろんそうした部分に魅力を感じる人もいると思うのですが、自分の場合はちょっと尻込みしてしまう事が多かったんです。

ハクサンの面接ではパッションがほどほどだった?(笑)

いえいえ(笑)、もちろんみんな情熱をもって仕事に取り組んでいるし、会社もどんどん新しい風が入って新たな成長段階に入っていると思うので、パッションはどこにも負けていないんです。ただ面接の時、会社のことを一方的に話されるのではなく、とても話しやすい雰囲気で、自分のこともしっかりと伝えることができました。会社も人も、第一印象って大切だと思うのですが、面接の時に社風が垣間見えたのが安心感につながったのは大きかったです。その時感じた話しやすさは、入社して3年経った今も変わらず感じていますね。

自分が管理した苗を街で見かけた時、
仕事が世の中とつながっていると実感します

生産部でどのようなお仕事を?

私たち生産部では、主に親株の管理や、生産者さんに供給するプラグ苗の生産などを行っています。生産者さんがつくる花苗商品のもとになる、言ってみれば赤ちゃん苗を生産しているイメージですね。

私は最初の1年は親株の管理を担当して、その後にPWとしても近年力を入れている低木(シュラブ)苗の生産管理も担当させてもらうようになりました。

入社前のイメージと良い意味でギャップがあったのは、思っていたより1人でたくさんの品種を扱うことです。同じ品種だけを管理しつづけるのではなく、新しい品種も入ってくるので変化が多くて飽きないですね。

生産部では女性の正社員は私一人ですが、パートさんでは女性もたくさん活躍しています。ここ1~2年は20~30代の方も入ってきて、和気あいあいとした雰囲気で仕事ができています。

社員の声02-3

日々のサイクルや繁忙期などについて教えてください。

朝出勤したら、まず最初にパートさんにその日行う作業の説明をします。その後自分は植物の水管理のチェックや、出荷のある日は出荷作業をしたり、パートさんの作業アシストに入ったりします。ただ、季節や日によって業務サイクルはかなり変わりますね。

例えば、1月~2月は一年で一番忙しい繁忙期なのですが、春に店頭に並ぶ花苗を生産者さんが作り始める時期なので、生産部としては生産者さんに出荷するプラグ苗を準備する作業がピークを迎えます。また、真夏は低木(シュラブ)の挿し木をしたり、秋に出荷する苗の生産で忙しくなります。逆に、消費者の元に花苗が届く春秋の園芸トップシーズンは、生産部としての仕事はひと段落していて、比較的落ち着いている時期ですね。

仕事にやりがいや喜びを感じるのはどういう時ですか?

街の花屋さんで、自分が管理している親株から生まれた苗を見かけた時が嬉しいです!「私が育てている親株から増えた子だ!」と、自分の日々の仕事がエンドユーザーにまでつながっているのを実感できる瞬間ですね。

年々過酷になる気象条件下でも
対応できる知識と経験を蓄えていきたい

生産で難しさを感じることはありますか?

最近は気候の変化が激しいので、そこへの対応ですね。夏が暑すぎて苗が上手く育たなかったり、毎年環境が激変するので、前年のセオリーが通じないことも多いです。ただ、「どうすれば植物を枯らさずに、予定通り出荷苗を確保できるか」という術は身についてきていると感じます。「生長速度が遅いから早めに判断して親株を増産しよう」とか。

それはすごい財産ですね。枯らしてしまう要因が分かってきた?

環境が相手なので、枯らす要因までは究明できないことも多いのですが、「要因が分からなくても対処できる術が蓄積できてきた」という感じです。厳しい環境下でも、最終的に必要な植物苗を確保するコントロールができるようになってきました。今後は、上手く育たない要因を正確に判断して対処できるレベルまで知識や経験を蓄えていければと思っています。

社員の声02-4
社員の声02-5

退勤後は休日は6匹の猫とまったり
植物モチーフの刺繍にもハマっています

退勤後や休日の過ごし方についてお聞かせください。

定時が8時~17時で、繁忙期以外は定時で退勤することがほとんどです。
今は実家に住んでいて猫が6匹と犬が1匹いるので、帰宅後は猫とごろごろして至福の時間を過ごしています(笑)。

あとは刺繍にもハマっていて、身の回りの小物をつくったりもします。植物をモチーフに刺繍をすることも多いですよ。没頭型でちまちまとした作業が好きなので、農場でも集中して黙々と作業にのめり込んでいることが多いかもしれません。

社員の声02-6

仕事では植物に、プライベートでは猫ちゃんにと、生き物に囲まれた日々を送られているのですね。

幼い頃から動物が好きで、その想いに正直に道を選んできた結果、今は植物の管理栽培に携わっています。スタートは動物でも、同じ生き物である植物を扱う仕事ができている。振り返ってみると「生き物が好き」というシンプルな気持ちが今の仕事に導いてくれたのかなと思います。仕事を探すときに、自分の原点にある興味関心に従ってみるのもひとつの指針になるのではないでしょうか。

最後に今後の目標を一言!

今は困ったら上司に相談してアドバイスをいただきながら仕事を進めていますが、今後はさらに植物の病気や対処法などの知識と経験を蓄えて、相談する前に自分で原因の見当がつけられる植物管理のプロフェッショナルを目指したいと思います!