ハイドランジアとは

ハイドランジアとは、日本原産のアジサイがヨーロッパで改良されたもので、咲き方は手まり咲き(学名:Hydrangea macrophylla)で、別名:西洋アジサイとも呼ばれます。コンパクトでボリュームある花を咲かせるのが特徴で、鉢植えで育てるのに最適なアジサイです。

ハイドランジアディープパープル

ハイドランジアは開花期が「母の日」に近く花を長く楽しめることから、近年は「母の日」のプレゼントとして定着してきました。

鉢植えで販売されているハイドランジアは、そのままプレゼントのラッピングをしても映えるだけでなく、上手に育てれば、何年も楽しむことができるのが魅力です。ラッピングされたハイドランジアは、まずすぐにラッピング材を外して日あたりのいい場所に置いて育て始めてください。

栽培カレンダー

ハイドランジアの栽培カレンダー

※関東地方以西低地基準になります。地域やその年の気候、生育状態により、開花期やお手入れの適期などは変わります。栽培カレンダーは目安としてください。高温時は花が休むことがあります。

ハイドランジアの育て方

日当たり・置き場所

鉢植えの場合

ハイドランジアは、1日中日光がよくあたる場所や午前中に日光がよくあたり午後は木陰のような日陰になる場所で育ててください。真夏は、西日を避けた直射日光があたらない場所に移動させましょう。明るい色のハイドランジアほど、注意が必要です。

水のあげ方

ハイドランジアは、水が不足することのないように乾燥に注意して育ててください。水が不足した状態を繰り返すと、花芽や葉先が散り下葉が落ちてしまいます。

鉢植えの場合

土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水をあげてください。目安として春、秋は1日1回。夏は水枯れしないように1日2回程度、最低でも1日1回はあげてください。真夏は特に水切れに注意します。冬は、2~3週間に1回程度が土の表面が乾く目安になります。

地植えの場合

根が張れば特に水をあげる必要はありませんが、植えつけてから2年程度は土が乾いていたら水やりをするようにしてください。植えつけてから2年以上経っている場合は、夏に土が乾いているようであれば適宜水をあげてください。

肥料のやり方

ハイドランジアは、肥料が不足すると葉の色が黄色になったり花サイズが小さくなったりします。

鉢植えの場合

鉢植えの培養土の量には限りがあるので、生育期(3月頃新芽が動き出してから開花するまで)や開花期には肥料をあげるようにしてください。緩効性の置き肥を1カ月に1回程度、液肥(1,000~2,000倍)を1~2週間に1回程度あげてください。生育期にしっかりと肥料をあげると立派な株に成長します。

地植えの場合

ハイドランジアをキレイに楽しむためには、肥料は重要です。年2回1~3月と花が咲き終わった後に肥料をあげてください。

1~3月にあげる寒肥(かんごえ)は、翌年の花を立派に咲かせるためのもので翌年の花の成長の決め手となる重要な肥料です。寒肥(かんごえ)には、緩効性の有機肥料をあげましょう。花が咲き終わった後にあげるお礼肥(おれいごえ)は、新芽を生長させるためのものです。

病害虫の予防と対策

植えつけ時に害虫防除のために殺虫剤を撒き、害虫の発生状況により市販のスプレータイプの殺虫剤または粒剤を使用してください。

病気

葉がたくさん茂り蒸れると、ウドンコ病に感染することがあります。葉が白く粉がついているような状態になったらウドンコ病の可能性があります。ウドンコ病にかかった葉はすぐに取り去りましょう。また、枝をすきこんで剪定をし風通しをよくしてください。

害虫

特に心配はありません。

ハイドランジアの花色の変え方

ハイドランジアは、一般的に土壌が酸性(pH5.0~5.5)だと青色のアジサイが咲き、土壌がアルカリ性よりに傾くと(pH6.0~6.5)、ピンク色のアジサイが咲きます。

ハイドランジア ピンクマーブルソーダ

ピンクのハイドランジアは、アルカリ性に傾いた土壌で育てると、より美しいピンク色を楽しむことができます。

ハイドランジア ブルーマーブルソーダ

ブルーのハイドランジアは、酸性土壌で育てると、より美しいブルー色を楽しむことができます。

ハイドランジアの剪定

ハイドランジアは、夏の終わりに翌年の花芽をつけ始めます。剪定の際にその花芽を切ってしまうと、来年花が咲かなくなってしまいます。なので、剪定は翌年の花芽をつけ始める前の7月下旬頃に済ませると安心です。この時期に剪定すれば、翌年の花芽を切り取る心配がありません。

ハイドランジアの剪定
剪定前の様子
ハイドランジアの剪定
剪定位置

剪定は、花首から2節下のわき目の2cm程度上あたりを切ります。花が咲かなかった枝は、来年その枝の花を楽しむためにも剪定を控えましょう。

ハイドランジアの剪定
剪定後の様子

翌年の花も楽しみたいけど秋までヴィンテージカラーも楽しみたい場合は、花が咲き終わったら、翌年のために半分の数の花を切って、ヴィンテージになるために半分の数を残してください。(例えば4つ花が咲いている場合は、翌年の花のために2つ切って、ヴィンテージを楽しむために2つ残してください。)

もし秋まで剪定するのを忘れてしまった場合は、花芽を切らないように剪定する必要があります。花から2節下に丸みがある花芽(写真の緑枠の部分)があることを確認し、花芽の2cm程度上で剪定してください。

冬越し

ハイドランジアは、関東以西の暖地であれば屋外でそのまま冬越しできる耐寒性を備えています。 冬には葉が落ちて休眠をする落葉樹です。

関東以北にお住まいの場合は特に、早春の遅霜には注意が必要です。芽が動き始めてからは、万が一霜が降りそうになったら、ビニールなどのカバーをかぶせて霜対策をすることが大切です。

ハイドランジア冬越し

冬の休眠期のハイドランジアは、地上部は枯れたように見えます。枯れてしまったと不安になったら、茎を切り取ってみずみずしい緑色であることを確認してください。写真のようであれば、まだハイドランジアは元気に生きています。諦めて廃棄しないようにしてくださいね。

植え替え

鉢植えの場合
ハイドランジアの植え替え
植え替え後の様子

鉢植えで育てている場合は2年に一回植え替えすることをおすすめします。冬の落葉・休眠期に二回りほど大きな鉢や地植えに植え替えるようにしてください。

コガネムシの幼虫の被害に合ったり、根詰まりをしてしまったり、どうしても植え替える必要がある場合は、真夏を避ければ植え替え可能です。その場合は、なるべく根にダメージを与えないように根は触らないようにして植え替えをしてください。

地植えの場合

地植えの場合は、植え替えは必要ありません。

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水切れしないように育ててくださいね

管理情報

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開花期:春~夏

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耐性:落葉性低木

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最低温度:約ー5℃

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置き場所:日なた、半日陰

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水やり:たくさん

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肥料:すくなめ

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用途:プランター/鉢植え、花壇

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剪定:7月下旬頃
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樹高:60~120cm

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樹幅:60~120cm

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よくあるご質問

Q
購入したハイドランジアは、いつ植え替えたらいいですか。
A

鉢植えで購入したハイドランジアは、冬の休眠期に植え替えをしましょう。それまでは購入した鉢のまま育てることができます。根がガチガチに固まっていたり地上部に比べて鉢が小さすぎると感じた場合は、真夏を除いていつでも植え替え可能です。

Q
ハイドランジアは、直射日光にあててもいいですか。
A

葉焼けを起こす可能性があるので、真夏は西日を避けた直射日光があたらない場所に移動させましょう。明るい色のハイドランジアほど、注意が必要です。

Q
ガクが茶色に変色し枯れてきました。どうしたらいいでしょうか。
A

ハイドランジアの花はデリケートで、環境の変化による影響を受けやすく、様々な要因で傷んでしまうことがあります。購入直後は慣れるまで暫くの間は軒下など、直射日光の当たらない風通しの良い場所で管理してください。
また、水やりや雨などで水滴がつくと花が傷んだり、病気が出やすくなるため、花に水をかけないように気を付けてあげてください。また、ハイドランジアは非常に水を好みますので、水を切らしてしまわないようにご注意ください。

Q
ハイドランジアを室内で育てられますか。
A

ハイドランジアは、日当たりの良い場所で育てます。購入一年目であれば、室内でも日当たりが良ければ問題なく育てられます。花が咲き終わったら日あたりのよい屋外へ移動しましょう。
ただし耐えることができる最低温度は、ー5℃です。お住まいの地域によっては、冬は冬囲いを行い、寒風や霜で花芽が傷まないよう、しっかり対策をとってください。また、鉢植えで室内の日当たり良く暖房の効いていないところで冬越しをするなどの対策もよいかと思います。

販売時期

全国の園芸店、ホームセンターなどで販売しております。

4月上旬~6月上旬