- 基本情報
- 育て方
シクラメンとは
シクラメンは、パンジーやビオラに次ぐ冬に大活躍する花苗の1つで、サクラソウ科シクラメン属の球根植物です。シクラメンの花言葉は「遠慮」「内気」です。日本人が美しいとする奥ゆかしさを備えた可愛らしい品種が数多く存在します。
シクラメン プティムーランとは

シクラメン プティムーランは、シクラメン プティムーランは、蝶々のようなカールしたかわいい八重咲きのミニシクラメンです。花持ちがとってもよく・連続開花性に優れ、長く花を楽しむことができます。
ここでは、そんなシクラメン プティムーランを上手に育てる育て方をご紹介します。
栽培カレンダー

※関東地方以西低地基準になります。地域やその年の気候、生育状態により、開花期やお手入れの適期などは変わります。栽培カレンダーは目安としてください。
シクラメンの育て方
シクラメンの植えつけ
植えつけ時に元肥を十分に施し、害虫防除のために殺虫剤を撒いておきましょう。買ってきた花苗(9㎝ポット苗)はひと回り大きな12㎝~15㎝位の鉢に植えつけましょう。植えつけの際、根鉢は崩さずそのまま植えるようにしましょう。
シクラメンの日当たり・置き場所
屋外で育てる場合
屋外で育てる場合は、1日中日光がよくあたるもしくは午前中に日光がよくあたり午後は木陰のような日陰になる、風通しの良い場所で育ててください。
冬は軒下など寒風や強い霜が直接あたるのを避けた場所で管理すると株が傷みにくく、連続開花しやすくなります。シクラメンの中では耐寒性に優れていますが、霜が降りると株が傷みます。特に寒い日は不織布などを被せるような防寒対策をしてください。
屋内で育てる場合
屋内で育てる場合は、なるべく日あたりがよい場所で育てましょう。シクラメンは、日光が足りないと、葉が黄色に変色したり枝が徒長したりします。5~20℃が最適な温度になります。夜冷え込む場所や昼に暖房器具で暖まり過ぎるようなことがない場所で育ててください。
シクラメンの水のあげ方
鉢の土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水をあげてください。
花や葉などが濡れたままだと湿度が高い状態になり、灰色かび病など病気が発生しやすくなります。水やりをする時は、花や葉、球根に水がかからないようにしましょう。
シクラメンの肥料のやり方
葉の色が薄くなってきたり、花が小さくなってきた場合は、肥料不足かもしれません。
シクラメンは、植えつけ時に元肥を十分に施した後、花が咲いている時期には、緩効性の置き肥を1ヵ月に1回程度、液肥(1,000~2,000倍)を1〜2週間に1~2回程度あげてください。
シクラメンの病害虫の予防と対策
植えつけ時に害虫防除のために殺虫剤を撒き、害虫の発生状況により市販のスプレータイプの殺虫剤または粒剤を使用してください。
病気
風通しが悪いと灰色かび病にかかることがあります。花がらを取り除いて清潔な状態を保つようにしてください。
害虫
葉や花にかすれたような白色や褐色の斑点が現れたり、花色がかすれたりしたら、アザミウマ(スリップス)の食痕の可能性があります。被害を受けた花は摘み取り、念の為、アザミウマ (スリップス) に効く薬剤を散布して被害の拡大を抑えましょう。
シクラメンの花がら摘み
シクラメンは、病気の発生を防ぐために、花が咲き終わったら花がら摘みをしてください。花がら摘みの際、黄色に変色した葉も茎ごと一緒に除くようにしましょう。茎は付け根をねじりながら抜くと、比較的簡単に抜けます。
シクラメンの葉組み
秋に、内側の葉を外側に引っ張り、株の中心部によく日があたるようにします。この作業を葉組みと呼びます。球根の天辺にある芽に日があたると花芽分化し生育が促進されます。また、花が中央に集まり、草姿もきれいにまとまります。
シクラメンの夏越し
シクラメンは日本の高温多湿な環境を苦手としますが、上手に管理することで夏越しも可能です。
春になり気温が15℃を超え出したら、(必要であれば鉢上げをして)軒下に移動しましょう。少しガーデニング上級者向けになりますが、夏は風通しのよい涼しい場所で育て是非夏越しにも挑戦してみてください。

開花期:秋~初夏

耐性:半耐寒性多年草

最低温度:約5℃

耐寒性ゾーン:10a~

置き場所:日なた、半日陰、明るい室内

水やり:すくなめ

肥料:ふつう

用途:プランター/鉢植え、ハンギング

草丈:約20cm

株幅:約20cm
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シクラメンのよくあるご質問
開花時期の株の不調
- Q玄関内に置いていましたが、花色が薄くなり、急に萎れ、葉も黄色くなっています。何が原因でしょうか。
- A
温度、日照量の環境要因や、水切れなどの可能性が考えられます。シクラメンの生育に適する温度の目安は5℃~20℃で、ベストな温度は目安として15℃です。室内管理の場合、日中はできるだけ長い時間日光が当たる場所、暖房が直接当たらない、暖まり過ぎない場所で管理しましょう。玄関や窓辺は夜間冷え込む場合がありあますので、気温が下がる日はお部屋の中央に移動していただくなど対策していただくとよろしいかもしれません。
また、肥料不足、日照不足でも花色が薄くなる場合があります。冬の間も暖かい日の日中は、外で慣らせながら日に当てましょう。
萎れた花や葉は取り除いてください。
- Qリビングで育てていたシクラメンの葉が黄色くなり、玄関に移動したら広がるように全体が垂れ下がってしまいました。回復するでしょうか。
- A
シクラメンの葉が黄色くなる、花茎が広がり垂れ下がってしまう要因は、温度、日照量などの環境要因や水切れなどの可能性が考えられます。枯れた蕾などは取り除き、暖かい日の日中は外で慣らせながら日光に当てて様子をみてください。室内管理の場合も、日中は出来るだけ長い時間直接日光が当たるような日当たりの良いところに置いて、暖房が直接当たらない、暖まり過ぎることがない場所で管理しましょう。
水切れの可能性もありますので、鉢の土の表面が乾いてから鉢底から水が流れ出るまでたっぷりとあげてください。その際に花や葉、球根には水がかからないように気を付けましょう。
花はしばらくお休みすると思いますが、葉が元気に回復してきたらまた春に蕾があがってくるかもしれません。
- Q購入後しばらく綺麗に咲いていましたが、室内で管理していくうちに萎れてしまい、葉がなくなり、花芽があがっても茶色く枯れてしまいます。何が原因でしょうか。
- A
日照不足・温度などが原因かもしれません。室内で管理していただく場合、日中はできるだけ日光が当たる窓際や日当たりの良いところに置いていただき、夜 窓際の温度が下がるようでしたら窓から離れた部屋の中心に置いていただくなどして調整していただければと思います。また、夜冷え込む場所や昼に暖房機器で暖まり過ぎることがない場所で管理してください。
お住まいの天候や状況にもよりますが、冬の間も暖かい日は、慣らせながら日光に当てましょう。
- Q日中は外で管理し、夕方以降は玄関内に取り込んでいます。日中、直射日光に当てるとお花がしんなりとしてしまいます。何が原因でしょうか。
- A
一般に、シクラメンは日当たりが良い場所で管理するのがおすすめですが、日陰で管理していたものを急に直射日光にあてたことで急激な環境の変化で株がストレスを受けてしんなりとしてしまうことがあります。
また、日中外で管理した際に寒風にあたった場合も、しんなりしてしまうことがあります。その場合は、室内に取り込み、日中は出来るだけ長い時間直接日光が当たるような日当たりの良いところに置いて、暖房が直接当たらない、暖まり過ぎることがない場所でしばらく様子を見てください。
回復したら完全に萎れてしまっている以外の花茎はまた立ち上がってくると思いますので、回復後はあたたかく天気が良い日中などは屋外で慣らせながら日によくあてて、寒風や霜があたらない軒下などで管理してください。
- Qお花にシミのようなものができています。何か病気でしょうか。
- A
灰色カビ病などの、何かしらの病気の可能性が考えられます。灰色カビ病は、被害が大きくない限り枯れることはありませんが、変色した箇所をそのままにしておくと、さらに悪化してしまうので取り除いてください。もし、花以外にもカビが生えているなどの症状がある場合は、殺菌剤を撒いていただくと安心かもしれません。また、屋外管理の場合は、雨などが当たらない軒下などで管理しましょう。
なお、花や葉にかかった水がなかなか乾かないと、灰色カビ病などの病気にかかりやすくなってしまいますので、水をあげる際は、葉や花、球根に水がかからないように気をつけながら、土の部分に直接水やりをしてください。
- Q日中は外で管理し、夜は室内に入れて管理していますが、花が咲いた後、2.3日で花びらの色がくすんで、水分が抜けたような状態になってしまいます。何が原因でしょうか。
- A
シクラメンの花が正常に咲かない要因は様々考えられますが、気温や日照量、寒風、病害虫、何らかの要因で根が傷んだ、薬害、生理障害、肥料の効き具合、水切れ、またそれらが複合的に影響している可能性が考えられます。日中は外に出しているとのことですので、もしかすると寒さ寒風で花や蕾が傷んでしまったのかもしれません。その場合、霜が降りるような日や冷たい風が吹く寒い日は、不織布を掛けていただくなどの防寒対策をしてみてください。
また、アザミウマなどの害虫の被害でも、このような症状が出ることがあります。アザミウマは1~2㎜くらいの小さな虫で、多くの植物に寄生してかすり状の跡を残し、被害が進むと葉や花が変形し正常に大きくならなかったり、開花できなくなったりします。その場合、アザミウマに適応のある薬剤を使用して対処してください。
- Q葉がしんなりした状態で元気がありません。鉢から出してみると根が小さくなっていました。何が原因でしょうか。
- A
何らかの要因で根が傷んだ、水切れ、日照量、気温、またそれらが複合的に影響している可能性があります。地上部の大きさに対して根が小さくなっている場合、根腐れによって根が弱って水や養分をうまく吸いあげられていないことによって、しんなりとした状態なのかもしれません。
水の過不足、日照量、気温などに気を付けて管理していただき、しばらく様子をみてください。
なお、株が弱っている場合は、活力剤は使用いただいてよいと思いますが、肥料はかえって傷めてしまう可能性がありますので、元気になるまでは控えましょう。
夏の管理方法
- Q夏越しの管理の仕方を教えてください。
- A
シクラメンの夏越しに挑戦される場合、2種類の方法がございます。
どちらの場合も、軒下など、直射日光と雨の当たらない涼しい場所に置いてあげてください。・休眠させない方法(ウェットタイプ)
ウェットタイプの場合、夏の間も水やりを続けます。
土の表面が乾いて数日経ったら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりとあげるようにしてください。・休眠させる方法(ドライタイプ)
ドライタイプの場合、開花期が終わったら徐々に水やりの頻度を減らし、最終的には水やりと肥料を完全にストップします。
9月になり夏の暑さが落ち着き涼しくなってきたら、水やりを再開していただくと、夏越しが上手くいっていれば、新しい葉がでてきてくれます。
- Q8月下旬までウェットで夏越ししていますが、気温が高くなる日が続いてきて葉が黄色くなり、全部なくなってしまいました。これからどう管理したらよいでしょうか。
- A
球根を触っていただき、柔らかくなっていたら残念ながら腐っているかもしれません。硬い状態でしたら、もしかすると暑さで休眠に入った可能性があります。本来だと、休眠したシクラメンは8月末~9月頃に休眠が明けます。時期的にそろそろ新しい葉が出てくるかもしれませんので、その場合は今までと同じように水をあげて様子をみてください。
その他に、いったん水やりをやめ、ドライの方法で管理をするのも一つかもしれません。秋、涼しくなったら水やりを再開していただき、夏越しがうまくいっていれば、新しい葉が出てくるかと思います。
- Q7月に蕾があがってきています。このまま咲かせて良いでしょうか。
- A
シクラメンは、基本的に夏の暑さが得意ではありません。この時期に咲かせても、本来の花姿にはならない可能性もありますので、できる限り株の負担を少なくするためにも、蕾はカットしていただいた方がよろしいかもしれません。
植え替え・植え付け
- Qシクラメンを購入しましたが、すぐ植え替えた方がよいのでしょうか。
- A
植え替えをせずにそのまま楽しんでいただいてもよろしいかと思いますが、根の状態を確認し、根が鉢からはみ出しているなど根がパンパンに張っている状態であれば、一回り大きい鉢に植え替えていただいてもよろしいかもしれません。シクラメンは根が傷んでしまうと大きなダメージ受け、回復が難しい場合がございます。植え替える場合は、くれぐれも根を傷めないように、根鉢を崩さずにそのまますっぽりと植え替えていただければと思います。
- Q夏越ししたシクラメンの球根はどう植えつけたらよいでしょうか。
- A
涼しくなった秋頃に、球根についている土を落として球根の硬さを確認してみてください。ブヨブヨと柔らかいようであれば球根が腐ってしまっています。硬くカチカチであれば生きていますので、根を半分くらいの長さに切り、一回り大きな鉢に植え替えてあげてください。
その際、球根の頭が1/3程度地上に出ている状態で植えましょう。休眠させてない場合も同様に、植え替えの際は、球根の頭が1/3程度地上に出ている状態で植えてください。植え替えが終わったら、水やりをします。休眠させた場合も、植え替え後から水やりを再開してください。基本的に、土の表面が乾いたら、水が鉢底から流れ出るくらいたっぷりとあげましょう。
植え替え直後は半日陰で様子を見ながら、徐々に日に当てる時間を長くして、少しずつ環境に慣らせてください。
なお、葉や蕾を付け始めたら、緩効性の置き肥を1ヵ月に1回程度、液肥を1〜2週間に1~2回程度あげて、肥料不足にならないようにしてあげましょう。
- Q購入時、球根の部分は土に埋まっていて見えない状態でした。球根部分が少し見えるようにした方がよいでしょうか。
- A

球根部分に土がかかっているのは問題ありませんが、芽が出てくる根元部分(画像の赤い丸部分)に土がかかっている場合は、土をよけて植え付けてください。鉢増しや、植え替えをしていただく場合にも、球根トップには土をかけす、根を傷めないように根を崩さず、すっぽりと一、二回り大きい鉢に植え替えてください。(ただし、耐乾性シクラメン エリシオン・アヴァロンについては球根の頭が少し隠れるぐらいで植えてください。)
その他
- Q球根がぶよぶよと柔らかくなってしまい、葉と花がすべて萎れてしまいました。回復は難しいでしょうか。
- A
もしかしたら何かしらの病気が入ってしまったのかもしれません。球根がぶよぶよと柔らかくなってしまうと、残念ですが回復は難しいかもしれません。
- Q3~4年目の株元の茎がワサビのような状態になっています。何か対処方法はありますか。
- A
上手に夏越し、冬越しして何年もお育ていただくと、どうしても根元の茎がワサビのような形状になってくることがあります。
このような茎は生育上大きな問題はなく、てっぺんから葉や花が出るため、取り除かずこのままお育ていただければと思います。見た目が気になるかと思いますが、葉が茂ってくると少しずつ隠れてくれるかと思います。
- Q底面給水鉢で育てても大丈夫でしょうか。それとも普通の鉢で、土が乾いてからお水をあげた方がよいでしょうか。
- A
底面給水鉢でも特に問題ありません。底面給水鉢を使用する場合、土の中の空気を循環させたり老廃物を取り除いたりする目的で、時々上からも水をあげていただくとよろしいかと思います。上から水やりをする際には、球根や花に水がかからないようにしてあげましょう。
また、底面給水鉢は常に鉢底に水が溜めてあるため、水が腐ってしまわないように定期的に新しい水に入れ替えてください。
シクラメンの水やりは、水やりサポート資材のアクアセルと組み合わせるのもおすすめです。
- Qカビが生えました。どう対処したらよいでしょうか。
- A
もし土にカビが生えている場合は、その部分を取り除きましょう。一般に培養土には有機質が含まれており、湿度や温度が高くなることでカビが発生することがあります。この場合は植物の生育には特に害はありませんが、土の表面に発生したカビについては、カビが生えた部分の土を取り除いて、新しい土と入れ替え、風通しのよいところで管理してください。
カビが生えている部分が茎や葉などシクラメン自身の場合は、灰色カビ病などの何かしらの病気の可能性があります。灰色カビ病は、症状が大きくない限り枯れることはないですが、胞子で増えますので、カビや傷んでいる部分は取り除きましょう。